ウールも染め替えられるの?

「ウールも染められるの?」

ズバリお答えしましょう。
染められます!

「じゃあウール100%のセーターと、カシミヤ100%のコート送るからよろしくね~」

ちょ、ちょっとお待ちを。
ウールやカシミヤなどの獣毛類は染められるのですが、縮みなどのリスクがあります。
ですので、Re:colorでは獣毛類が70%以上含まれているものは基本的にはお断りさせていただいております。

「じゃあ、どの位縮むのよ?」

セーターなどゆるい編みのものは縮みが出やすいので、ひどい場合には大人用セーターが子供用くらいに縮むことがあります。
事例写真はこちら。

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素材は毛50%、モヘヤ30%、ナイロン20%という縮みやすい素材のトリオ。
とはいえここまで縮むとは予想外でした。

しかも小さくなっただけでなく、伸縮性がなくなり、カチカチに。
この状態を縮絨(しゅくじゅう)、またはフェルト化といいます。

ウールを水やお湯の中で摩擦するとキューティクルが開き、繊維が絡み合うことで縮みなどが出てしまうのです。
製品の中にはこの現象をうまいこと利用して厚みを出したり、ふわふわした手触りにしているものもたくさんあります。

防縮ウールといって、縮み防止の加工をしてあるウールもあり、その場合は上のような極端な縮みは発生しません。
ですが、染める前には分からないため、ウールなどの獣毛が含まれているものを染め替える場合、縮みは必ず考慮してください。

ではあまり縮まなかった事例もご紹介。
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腕の色あせもきれいになりました。

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こちらの素材はウール60%、レーヨン40%でした。

ウールでも、セーターなどのゆるい編みのものはより縮みが出やすく、コートなどは縮みが少ない傾向があります。

どの位縮むの?と聞かれることが多いのですが、「すみません。染める前には分からないんです。」とお答えしています。縮率を取ると、縮み幅は大体7~15%になる場合が多いです。

それにしても、ウールには普通のウールと防縮ウールの2種類あるなんて、この仕事をするようになって始めて知りました。
繊維のこと、織り方、編み方、各種加工…勉強しなくてはいけないことが多すぎて脳が縮絨して(絡まってぎゅってなって)います。

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ポリエステル素材も染められます。

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