撥水加工したものは染められる?

染色は、染料を水(お湯)に溶かして、その水溶液中に衣類を浸すことにより染めるため、全く水(お湯)を吸収しない生地を染めることはできません。

それでは、撥水加工がされているものは全て染まらないかというと、そうではありません。

撥水加工は、目には見えないミクロレベルで細かな突起状のものが生地についていて、水は表面張力により弾かれるという仕組みだそうです。

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蓮の葉も同じ原理ですね。
細かいもけもけが水を弾いています。

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つまり、まったく水を通さない膜が張られているわけではないので、このもけもけを突破することができれば染まるのです。

撥水する力は水よりお湯、そしてもけもけが整列している状態より、乱れた状態に弱くなります。

染色は60度以上のお湯で、しかもぐるぐると攪拌しながら染めるので、撥水が弱まった状態になります。

ですので、撥水がかかっている=全く染まらないというわけではなく、染まる場合がほとんどです。
ですが、染まり方が弱かったり、撥水加工がムラに残っている場合にムラに染まってしまう場合があるため、撥水がきつくかかっている場合には基本的にはお断りさせていただいています。
もし、「ムラになっても構わないから染めてくれ」という場合には、染めさせていただきますので、お申し出ください。

ちなみに、蓮の葉で水がコロコロと弾かれて落ちる際、泥や小さな昆虫なども一緒に落ちることで、葉をきれいに保っているそうです。
そしてこの効果をずばり、ロータス(=蓮)効果と呼ぶそうです。

最後に、今回多用した「もけもけ」という表現は、私が勝手につけたものですので、正式な表現ではないことをお断りしておきます 🙂